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119・120. 東氏館跡出土品(2) (とうしやかたあとしゅつどひん) |
青磁瓶子(せいじへいし)破片は牡丹唐草(ぼたんからくさ)や唐草文などがあり南宋時代のものである。東氏館は2度戦乱にさらされているが、唐草文の41片は釉(うわぐすり)が焼きちぢれている。シノギ文をつけた鉢、碗、皿には青緑色の釉が部厚くかかっている。碗類の内側にへラ描きで草花文をつけ、外側に蓮弁文(れんべんもん)をつけたものも多くある。盤、香炉破片も出土している。 白磁破片(はくじはへん)には、小皿、小さいつぼなどがあり、つる草文などをはりつけたものもある。 鉄釉(てつゆう)製品天目茶碗(てんもくちゃわん)は胎土(たいど)が密で非常に固く焼きしまっている。 石製品に石鍋がある。滑石製(かっせきせい)で削り出しの鍔(つば)が付いていた跡がある。器面には炭素が付いている。硯(すずり)の破片も出土している。 常滑系大甕(とこなめけいおおかめ)類 出土中もっとも古い12世紀の甕破片は、口造りも古い形態で、胎土は細かく、ていねいに成型されている。 白瓷(しらし)系陶器 碗類には体部が上へ大きく開き、厚手で付高台にもみがらの跡があり、自然釉のかかったもの、器高が比較的高く口縁部がわずかに反り、胎土が細かいもの、高台の断面が三角形をしており、内部に指で押した跡や、花押の墨書のあるものなどがある。皿、小壷、鉢(高台有・高台無)などもある。 |